ブロスタのチーミングへの意見
0.前置き
この記事は「ブロスタにおけるバトロワソロモードのチーミングを批判するもの」です。しかし、絶対にチーミングをするな!と個人の行動自体を弾圧するものではありません。チーミング否定派の心無い言葉によって火がついたこの話題だが、現在の肯定派の論調(古参が言うから従え・正しい、文句あるならプレイヤースキルを磨け・文句あるならプレイするな等)は少しズレていると考えている。チーミング肯定派も、チーミング否定派も、そもそもこのゲームにおけるチーミングのどこが問題なのか・なぜ古参勢にチーミング肯定派が多いのか、この2つを理解していただきたいと思い、このブログを執筆した。是非最後までガッチガチに頭を使って読んでいただきたい。
また、記事の内容はブロスタをプレイしてる人に向けたものであるため、細かな用語説明を省いている場合がある。ご了承いただきたい。
1.はじめに
私はグローバルリリースからブロスタを始めたいわゆる"新規勢"である。クラロワをプレイしていた方々は、supercell社の新しいゲームがリリースされると聞いて我先に飛び付いたであろう。キャラクターはコミカルなデザインで親しみやすく、ゲームプレイは簡単な操作なのに奥深い。皆がこのゲームに熱中している。私もその1人である。
※ちなみに筆者は、ブルとポコというキャラが好きで使っている。
そんな折、ブロスタのゲームモードの一つである「バトルロイヤル」にて、プレイヤー同士が協力する【チーミング】が黙認されているという話を聞いた。他のゲームでは絶対にありえないことがなぜこのゲームでは黙認されているのか、非常に興味深かったので私なりに考察しようと考えた。このブログを執筆するに至った最初の理由である。
2.バトルロイヤルというゲームモードについて
この話を始めるには、そもそもバトルロイヤルとはどういうゲームモードなのかを説明しなければならない。
(以下Wikipedia引用)
〜コンセプトより〜
バトルロイヤルゲームは多数の個人プレイヤーまたは複数の小規模なチーム同士で遊ばれる。各試合での目的は他の敵全員を倒すことで最後の1人または1チームとなることである。
バトルロイヤルというゲームモードは、他の敵全員を倒すことで最後の1人または1チームとなることが目的である。それ故にソロモードの場合は、他の人とチームを組む(チーミングする)こと自体がゲームの趣旨と異なる。チームを組みたいのであれば、一般的にデュオモード・スクアッドモードなどがあり、そちらでチームプレイを楽しむことが出来る。
ブロスタでは、ソロモードとデュオモードの2つのモードを遊ぶことが出来る。それにも関わらず、ソロモードにてチーミングが発生しているというわけである。ここからは、そのチーミングの原因と推測されるブロスタのバトロワモードにおけるトロフィー報酬システムについて話していく。
3.トロフィー報酬システムについて
通常のバトルロイヤルモードでは、何より1位になることが一番の報酬である。どこかで無理なんじゃないかと考えていても、また別のどこかではもしかすると1位になれるんじゃないか?などと考えてプレイしているはずである。
ブロスタにおいても、例外なく1位になることが一番の報酬であり、1位になった際に得られるトロフィー報酬が一番多い。そう、他のゲームとの大きな違いは順位ごとに段階的にトロフィー報酬が付与されるところである。つまり、1位にならなくても上位に入ればトロフィーを貰えるのである。
このような報酬システムになっている理由はただ一つ、バトルロイヤルモードをプレイしてもらうためだ。
他のFPSゲームにおけるバトルロワイヤルは、ゲーム内の実力に関わらない実績という意味合いで試合終了後に経験値を手に入れられ、レベルアップするとスキンなどの形でその報酬を受け取る。そして、当然であるがそれはあくまで副次的なものである。
しかしブロスタの場合、バトルロイヤルに関わらず、得られる報酬はゲーム内の実力に関わってくる。誤解がないように言い換えると、レベルを上げるとトークンが獲得出来る。そのトークンを一定数集めると、ブロスタボックスを獲得出来る。新しいマップ・モードに切り替わった後に初勝利を収めると貰えるスタートークンは、ビッグボックスを獲得するのに必要なものであり、ブロスタボックスよりも豪華な報酬であることは周知の事実である。キャラクターのレベルは攻撃力や体力・必殺技の強さに反映されるため、ブロスタというゲーム内で得られる報酬は間接的に実力に関わってくるのである。
そんな中、ブロスタのバトルロイヤルモードが1位のプレイヤーのみに大量のトロフィー報酬を与え、それ以外のプレイヤーのトロフィーを下げるようなシステム・設定だったとするとどうだろう?いくらスタートークンを獲得出来る状況だったとしても、自らの実力に自信がない人は他のモードでお茶を濁そうとするであろう。そうすると実力のあるプレイヤーのみがバトロワを遊ぶようになり、どんどんバトロワのプレイ人口が減少していってしまう負のスパイラルが起こり、バトロワというゲームモードを作った意味が薄れてしまう。
「実力のあるプレイヤーと出来るなんてワクワクするぜ!俺の方が強いってことを見せつけてやる!」
というような感想を抱いた方もいるであろう。それも一つの感じ方である。しかし、一定数は実力差を見せつけられ、"萎えて"バトロワをより遊ばなくなってしまう。そういう人も中にはいるのである。
ブロスタのバトロワにおける段階的なトロフィー報酬システムは、バトロワというゲームモードを遊ぼうと思う動機づけ・モチベーション維持装置なのであり、これはブロスタ運営が意図した効果である。
3.チーマーが起こす機能主義の誤謬(ごびゅう)とモラルハザード
チーマーとは、チーミングをする人のことである。彼らは、バトロワの段階的なトロフィー報酬システムを逆手に取り、チーミングをしようという考えに至っていると考えられる。
他のプレイヤーがそれぞれ1人で戦っているところに、チーミングによって人数優位を築いたチーマーたちが戦いを挑むとなれば、勝ちやすい方はどちらかなど言うまでもない。複数vs1を作って敵を倒し、いとも簡単に上位へ入ることが出来る。そうするとチーミングした複数人が全員トロフィーを獲得することが出来る。そもそもチーミング自体公にハッキリと白黒付けられていない背景がある(後述の運営公式声明翻訳文にて確認出来る)ため、チーマーたちにはチーミングを辞めるメリットがなく、その必要も皆無である。
本来、段階的なトロフィー報酬システムにはバトロワプレイの動機づけ・モチベーション維持という意図した効果がある。しかし、チーマーたちは、その段階的なトロフィー報酬システムを、チーミングをした際のメリットになり得ると考え、利用している。これを機能主義の誤謬(ごびゅう)という。
※機能主義の誤謬をわかりやすく説明すると、包丁は本来、野菜などを切るために使われるよう意図されて作られた。しかし、殺人事件の凶器に包丁が使われている時がある。野菜など食材を切るためのものなのに、「切れるから」というメリットを、本来意図していない目的に利用する。この場合の「殺人事件の凶器である包丁」は、機能主義の誤謬であると言う。
また、チーミングというのは本来は罰されるべきものであるが、前述した通り罰されない背景がある。それをいい事にチーミングを行う。バトロワというゲームモードのアイデンティティを損なうことを考慮せず、自らの利益のためだけにチーミングを行う。これをモラルハザードという。
つまり、一文で要約すると、機能主義の誤謬を意図して起こしている点がモラルハザードであると言える。
5.運営の考え
これは、ブロスタのトッププレイヤーであるレリー氏が、Redditに投稿された公式声明を翻訳したものである(ブログへの掲載許可をいただきました)。ここからは、ここに書かれていることを全て読んでいることを前提に先へ進める。
2017年8月3日 7行目抜粋
「②について話すと、まず我々は全く予想していませんでした。」
そりゃそーだろ!!!!!
前述した通り、バトロワのソロモードで堂々と手を組むなど趣旨に反する上、バトルロイヤルというゲームモードのアイデンティティを損なうため、チーミングすることを想定していなかったのである。というか、想定できるわけがない。全世界共通認識のチーミング合図の出現など。
6-1.【まとめ】一つ目の問い
一つ目の「このゲームにおけるチーミングのどこが問題なのか」という問いに対する結論は、「そもそもバトルロイヤルというゲームモードのアイデンティティを損う点・段階的なトロフィー報酬システムを逆手にとって機能主義の誤謬を意図的に引き起こしているチーマーのモラルの低さによって、他のプレイヤーに対する負の影響が大きい点」の2点となる。
6-2.【まとめ】二つ目の問い
次に、「なぜ古参勢にチーミング肯定派が多いのか」という問いについて考察する。改めてお伝えするが、レリー氏の公式声明翻訳文を全て読んだ上で話を進める。
彼らは長くブロスタをプレイしている。
それ故に、チーミングとの付き合いも長い。
このブログを執筆するにあたり、TwitterのリプライやDM等で様々な情報収集・意見交換を行った。
その際にわかったことは、古参勢全員がチーミングを肯定しているわけではないということである。
現にトッププレイヤーと呼ばれるほどブロスタをやりこんでいる人であっても、バトロワモードだけは他のゲームモードに比べてプレイしていないという事も少なからずある。
しかし、新規勢は古参勢のチーミング肯定にどこか不自然なものを感じなかっただろうか?
まるで「チーミング自体は良くないものだけど、現にチーミングが存在するんだから仕方ないじゃん」と言っているように感じなかっただろうか?
この問題の本質は
「なぜ古参勢にチーミング肯定派が多いのか」ではなく
「チーミングに対して消極的な肯定感を抱いている」のである。
突如現れたチーミングという"戦略"
他のゲームじゃBANされるような行為
しかし、方法が方法であるから止めようがない
今度は誤解を恐れずに表現するが、彼らはブロスタに発生した癌(ガン)を受け入れて遊ぶ他に選択肢が用意されていなかったのである。
だからこそ、チーミングは良くない行為であるとわかった上で、チーミングが存在する環境下で、チーミングによる駆け引きで自らの意思表示を行ってきたのである。
チーミングを受け入れた上で戦略として実際に実行した人
チーミングを受け入れた上で戦略としてチーマーを裏切る人
人によって対応は様々だが、彼らは今もずっと闘っている。
もう一度書き記す。彼らの大半は消極的肯定派である。
私のブログを執筆するという行動をはじめ、ブロスタプレイヤーの"民意"によってブロスタプレイヤー全体の意識が揺り動かされることを、彼らは期待している。
その上で、私の主張を改めて最後にしてブログを締めることとする。
最後まで通読いただきありがとうございました!
私はチーミング否定派である。